幼馴染は私のモテ期をやかない
・居酒屋

「カンパーイ」

中3のクラスメートで同窓会が始まる。

佐々木理保「あれ、四月一日くんは?」

元副委員長「遅れてくるってよ」

りほ「良かった〜、じゃなきゃ来た意味ないもん」

吉川清美「これだけの人数居て、ビールかウーロンでスタートさせるって副委員長、慣れてるよね」
「めぐ、お酒頼めば」

志水めぐみ「ビール飲めないけど、お酒飲めば少しは暖かくかるかな」

清美「確かにここ寒いね」

四月一日あたる「お、お疲れー」

理保「待てってたよ」
「ここ座って」「何飲む?」

めぐみ席を立つ

あたる「めぐ、寒いならこれ着ろよ」

めぐみ「いいよ」

あたる「着て来た上着着てたら、外出た時寒くなるよ」

めぐみ「きてきたうわぎきてたらって、早口言葉みたいだね」

あたる「いいから」
と言ってネルシャツ渡す

トイレから出ると、足をもじもじしている男子が居る

めぐみ「足どうしたの?」

和泉「さっき靴下穴あいちゃって」

めぐみ「ちょっと待ってて」
「店員さん、輪ゴムあったら1つ貰えますか?」

店員「少々お待ち下さい」

「これでいいですか?」

めぐみ「はい、ありがとうございます」

「靴下脱いで」

和泉「え、汚いよ」

めぐみ「いいから早く」
「これでよし」「履いてみて」
「どう?」

和泉「穴が分からなくなってる」
「なんでこんなの出来るの?」

めぐみ「糸で縫う時と同じ原理かな」
「少し違和感あると思うけど、さっきよりマシでしょ」

和泉「ありがとう」「しっかり手洗ってね」

席に戻ると
あたる「遅かったじゃん」

めぐみ「ちょっとね」

元副委員長「そろそろ二次会に移動します」
「カラオケ予約してるから、支度できたら外出て」

あたる「めぐは?」

めぐみ「あたしは、明日用事あるから帰る」

あたるの腕に腕を絡ませ
りほ「四月一日くんは行くよね」

あたる「あ、うん」

和泉「志水さん送るよ」

めぐみ「そんなに遅くないから大丈夫だよ」
「和泉くんみんなとカラオケ行きなよ」

和泉「僕カラオケ苦手だから」

元副委員長「はーい、行くよー」

あたるは、めぐみと和泉が帰る姿を見送る


・カラオケ

元副委員長が男子だけのグループラインを作りメッセージを送る

元副委員長《みんな誰狙い?》

男子A《俺は志水かな》

男子B《志水、雰囲気変わったよな》

男子A《長袖なのに、腕見えるレースって言うの》

男子B《ブラ線も出てるの気づかないし、あれ吉川が言わなきゃ、ずっと見
見れたよな》

元副委員長《でも俺は、やっぱり佐々木かな》《相変わらずエロいじゃん》
《あたるにずっとくっついてるけど、あたるは志水だよな》

あたる《俺は誰でもないから、別に好きにしなよ》

副委員長《おーい、和泉、なに2人で帰ってんだよ》

松原《話盛り上がってるところ悪いんだけど、今日俺行ってないんだけど》

元副委員長《わりー、間違えて入れちゃった》
《抜けてもいいよ》

松原《話知りたいからこのままでもいいかな》

元副委員長《○》

男子A、B、C…
《OK》のスタンプ

松原《俺も志水さんに会いたいな》
《四月一日くん、志水さんと2人で会ってもいい?》

あたる《俺に聞くことじゃ、別にどうぞ》

男子A《ずっりー》

理保「ねー、さっきから男子みんな、なんでスマホ見てんの〜」

元副委員長「ごめん、ごめん」
「あたるのとこじゃなくていいの?」

理保「だって、全然相手にしてくれないんだもん」
「志水さんが居るとずっと気にしてるっていうか、過保護って感じだし、居なきゃ居ないで、上の空でつまんない」

清美「四月一日くん」

あたる「うん?」

清美「めぐ帰っちゃったからつまんないんでしょ」

あたる「別に」「俺保護者みたいなもんだから」

清美「四月一日くんてさ、良くない時程“別に”って言うよね」


・めぐみの家の前

めぐみ「送ってくれて、ありがとう」

和泉「ここなんだ」
「四月一日くんの家とこんなに近いんだね」

めぐみ「生まれる前からだから長いよね」
「あれ、スマホ鳴ってるよ」

和泉「うん」

めぐみ「じゃーまたね」


道で電話をする清美

清美「カラオケ解散したよ」
「2人で帰って何かあった?」

めぐみ「何もないよ」

清美「なーんだ、つまんないの」
「でも、人気あったみたいだから、気をつけなよ」

めぐみ「気をつけろって、あたるが人気あってもいいじゃん」

清美「めぐの事言ってんの」

めぐみ「なんであたしが」

清美「四月一日くんのスマホ見えちゃってさ、男子だけのグループ作ったみたいで、めぐの名前出てたよ」

めぐみ「覗き見したの?」

清美「そんなん、しないよ」
「私目がいいから、見えちゃったの」

めぐみ「大丈夫だと思うよ」

清美「忠告はしたからね」

めぐみ「は〜い」

あたるの部屋の窓が開く
ガラガラ

めぐみも窓開ける
めぐみ「あたる、佐々木さんといい感じだったね」

あたる「あれを見ていい感じって思うんだ」

めぐみ「いつも隣キープされてたじゃん」

あたる「じゃーそれでいいよ」
「めぐこそ、和泉といい感じだったじゃないの?」

めぐみ「あたるもきよと同じ事言うんだね」「送ってもらっただけだよ」

あたる「じゃぁいいけど」

めぐみ「タバコ吸ってたっけ?」

あたる「1日のリセットって感じ」

めぐみ「初めて知った」

あたる「幼馴染でも、全部知ってる訳じゃないでしょ」

めぐみ「そーなんだけど」
「あっ、ごめん電話」

あたる「うんじゃ」

めぐみ「はい、もしもし」

松原「松原です。志水さんであってるよね」

めぐみ「そうだよ」

松原「久しぶり、元気だった?」
「今日バイトで行けなくて」
「どうだった?」

めぐみ「楽しかったよ」
「バイト何してるの?忙しんだね」

松原「カメラ関係で、色々だよ」
「大学行って、カメラの専門学校も行ってる」
「バイトは親戚の所でやらせてもらってる」

めぐみ「超多忙じゃ、大変だね」

松原「今度、2人で会えないかな」

めぐみ「そうだね、いいよ」

松原「良かった。また連絡するね」

めぐみ「うん。またね」


数週間後
・居酒屋

松原「俺ね、中学の時、志水さんに美術の絵を褒めてもらったことあるんだ」「それがきっかけでカメラに携わった仕事がしたいなって思ったんだ」
「覚えてないよね」

めぐみ「覚えてるよ」
「ワンちゃんの絵だよね」
「写真見て描いてるのって聞いたら、飼ってるワンちゃんって言ってたよね」

松原「こんな表情するのって、心許してるからだよね。レンズ向けられてもそういう表情するんだろうねって、言ってくれたからカメラマンになりたって思ったんだ」
「ごめんね、俺の話ばっかりしてるね」

めぐみ「そんな事ないよ」
「すごいねぇ、この年でやりたい事がちゃんと見えてるってすごいよ」

松原「高校と大学を出る事が親とおじさんさんから言われた条件なんだ」
「卒業してすぐに仕事したいから、今専門学校行ってるんだ」
「志水さんはどうしてたの?」
「彼氏とか」

めぐみ「彼氏いないよ」

松原「彼氏しても、異性と2人で会うのありなタイプかと思った」
「彼氏いなくて良かった」

めぐみ「やっぱり恋人いると2人ってだめだよね」

隣に移動してきた松原にキスされる

松原「キスされるって思ったら、目閉じない?」

めぐみ「したことないから」

松原「初めてだったの、ごめん」
「モテると思ってたから、まさか初めてだとは」

めぐみ「松原くんは変わったね」
「モテるからなの?」
「キスってそんな簡単に出来るんだね」
「ごめん、軽いって言ってるんじゃなくて、えっと慣れてなくてごめんね」
「気まずくなりたくないら、気遣わないでほしいな」

松原「中学の時、好きな人いた?」

めぐみ「いたよ、ずっと片思い」

松原「誰か言える」

めぐみ「それは言わない」
「ごめんね」

松原「そっか」

外に出る

松原「俺、寄るとこあるから、送れないけど1人で大丈夫?」

めぐみ「まだ8時だし、大丈夫だよ」
「じゃあね」

松原「じゃー」


家着き
・めぐみの家
めぐみ「あたるいないんだ」
「行く前にお風呂入ったから、このまま寝ちゃお」


・めぐみの部屋
翌朝、9時
電話で目が覚める

あたる「電話もラインもどうした?」
「内容入れてくれればいいのに」

めぐみ「ごめん、寝ちゃった」
「昨日は勢いで、話せそうだったけど…家来れる?」


・めぐみの家(玄関)

あたる「おじゃまします」
「おじさんとおばさんは?」

めぐみ「モーニング食べに行くって」
「ラインに声かけたけどいいって言うから、2人で行くって」
「飲み物とか持ってくるから、部屋行ってて」

あたる「りょ」


・めぐみの部屋

ベットに座って、後ろに手をつくあたる
あたる「で、話なに?」

めぐみ「あのね、昨日キスされた」

あたる「昨日って、松原と会ってって事!?」

めぐみ「そう」
「初めてって言ったら、引かれたような」
「付き合い慣れてる人がそれ以上手を出さないって、やっぱり処女って重い?」

あたる「重いかどうかは人によるよ」

めぐみ「ねー、あたしってそんなに魅力無い?」
「ねー、してくれない」

あたる「はっ!それ本気?」

めぐみ「本気だよ」
とめぐみはあたるの手を取り胸へ
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