目が覚めた時、私は手足を縛られ、拘束されていた。
…。また生きてる。今度こそ死んでしまうんじゃないかと思ったけど。なんでまだ生きているんだ?
トントン…
足音が聞こえる。妖怪狩りか…?
ドアが開いた。見えたのはあの整った顔だった。
キッと睨みつける。妖怪狩りはこちらに近づいてきた。離れたいけど拘束されていて動けない。
「ど、どういうつもりだよ!貴様!急に村に攻め込んで全部めちゃくちゃにして!私を拘束して!私が憎いなら、殺したいならさっさと殺しちまえばいいだろう!!」
妖怪狩りは何も言わない。表情もピクリともしない。こいつはほんとに人間なのか…?
「…おにぎりだ。食え。」
私は食べなかった。こんな奴からもらうものなんて食べるかよってんだ!
でも妖怪狩りはおにぎりを無理やり口に押し込んだ。
「んん!ふぐう!」
おいしい…。最近は気候とかの影響があってか作物がなかなか実らなかったから、まともな食事は久しぶりだ。
あっという間に全部食べてしまった。
「おい!おまえ!私を閉じ込めて無理やり飯食わしてどういうつもりだ?普通においしいし…。」
妖怪狩りは何も言わずに出て行った。
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