排他的に支配しろ


「……ん、りん? ごめん、起こした?」

「い、いえ……っ」



 ぬ、盗み聞きしてるのがバレた……っ。

 春日さんは驚く様子もなくわたしに近寄り、部屋に戻ろうとしている。

 もっと怒ってもいいのに。



「すぐ戻るから、ベッドで待ってて。乱丸(らんまる)、他に大事なことはある?」



 扉の向こうで答えが返ってくる。

 機械音声なのに、引っ掛かりのある気配がした。



『──……一抹製薬研究員の殺人も同一。拳銃窃盗の理由と推測』



 それは、わたしの耳にも届いてしまう。

 先生達を殺した人……一体、誰が。



「わぁお」



 春日さんも苦笑を浮かべていた。

 それきり音声は途切れ、何かを言われることはなくて……。



「春日さん、わたし……眠れそうにないです」

「はは、俺も~」



 ふわりと肩を抱いてくれる春日さんに誘導されながら、一歩ずつベッドに戻る。



「あの部屋にいる人って……?」

「趣味で街の監視をしてくれてるんだよね~。なんかほしいな~ってときに情報をもらってる」


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