排他的に支配しろ
《破損》




 生活は一週間を過ぎた。

 銃を盗んだ犯人は未だ捜索中らしく、外に出られないわたしのために春日さんが服や下着などを買ってきてくれた。

 危険なのは春日さんも変わらないのに、何度訴えても「俺を殺せたら大したもんだよ」とはぐらかされて。

 だから、大丈夫なんだって──思い込むしかなかった。



「おはようござい……ます」



 一日は、台所にいる光峰さんに挨拶をするところから始まる。

 少し後に春日さんがやって来て、食事をいただいて。ボードゲームをしたり、本を読んだりするのが日課となっていた。


 春日さんのものになる、って話から、一緒にいると距離がずっと近い。

 キスは毎日、食後と就寝前に多くて、肌も色々なところに触れられた。同じ空間にいるときは、必ずどこかくっついている。

 そのせいで、いつだって心が騒がしい。


 けれど、今日は少し様子が違うようで。



「臨さん、春日様は本日お帰りになりません」



 珍しく光峰さんが作業の手を止めて口を開いたかと思ったら。

 そんなことを言われた。


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