排他的に支配しろ


 “命令”の使い時は、誰かのためになるとき。特に、誰かに許可をもらったとき。

 生まれてからずっと刷り込まれた、わたしの取り扱い説明書。

 わたしは一人だと、何もできない。



「ごめん……、ごめん、ね」

「ひ、……っ」



 ゆっくり上り詰めてくる手は、太ももへ到達しようとしていた。

 彼はどうして、泣きながら謝りながら、わたしを襲うのだろう。



「ルイく、……ぁ」



 快楽の波が思考を鈍らせる。

 どう声をかけるべきかも、もう……見つからない。


 わたしが受け入れてルイくんが満足するなら、その方がいいのかもしれない。

 不快なのは少しの間だけ。

 まぶたを伏せて、視界を暗くした。



 ……願うなら。

 わたしの体は、春日さんにだけ好きにしてほしかった──





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