排他的に支配しろ


 言っている意味がわからず、首を傾げる。春日さんはにっこり笑ってわたしの頭を撫でた。



「こっちの話。まだ薬抜けてないんじゃない? 気持ちよくなってていいよ」

「ひゃっ……」



 鎖骨に降ってくる口づけ。音も感覚も、甘い痺れに変わっていく。

 どんどん下に降りているような……。


 この先を考える想像力が足りない。耐えられない、が正解だけれど。

 恥ずかしさを紛らわせるため、思考を巡らせて。


 そういえば、今日の春日さんがスーツであることにたどり着いた。

 いつも明るい色だったり柄物が多かったりする印象だから、きっちりした服装が新鮮だ。

 こんな姿も似合うんだと、うっとり見惚れてしまう。



「かっこいい……」


「ん? 何が?」

「へっ……」



 まさか、口に出してた……っ?

 顔がカッと熱くなる。答えを言ったも同然だった。



「ふうん、俺が?」

「う……ゃ、」



 春日さんがネクタイを緩める。そんな動作ですら魅力的に見えて、ドキドキしてしまう。

 これは、薬とか関係なく。わたしが、春日さんに魅了されているから。


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