クールな君と愛しすぎる僕
そのまま抱き合って、ぐったりしている寧音。
登羽は肘枕をして寧音の頭をゆっくり撫でながら、微笑み見つめていた。

「寧音ちゃん、寝る?」
「ん…」

トロンとした目の寧音を、ギュッと抱き締める。
すると、スースーと寧音の寝息が聞こえてきた。

「……寝た…かな…?」

フフ…と笑って、寧音を起こさないように腕を抜いた。
ベッドの下に散らばった自身の下着とスウェットを着て、ベッドを下りる。

~~~♪
オーブンレンジの音がなる。
中から、温めたタオルを数枚を出した。

「………っ…熱っ!!
ちょっと、温めすぎたかな?(笑)」

そして、適温まで冷ましながらベッドに戻る。
裸で眠っている寧音の身体を丁寧に拭き、下着と自分とお揃いのスウェットを着せた。

「よし!完璧!
…………寧音ちゃんおやすみ!んー」
チュッ!と口唇にキスをして、再びベッドを下りた。


ソファに座り、晴彦に電話をかける。
『登羽~』
「ごめんね、遅くなっちゃった!」

『ううん~』
「情報、ありがと!」

『どうする?掃除、しようか?』
「ううん。掃除するのは簡単なんだけど、急にいなくなったら、怪しまれるでしょ?
情報を、僕のパソコンに転送して?
後は、自分でやるから!」

『了解~!
…………ちょっと待ってな。今、転送したよ~!』

「………ん。きたきた!ありがとっ!」

【羽馬 真未の情報
━━━━━━━━】
晴彦との通話を切らずに、情報を確認する。

「フフ…」
『ん?登羽?』

「良い情報ー見ぃつけた!」
『あー!この女の姉ちゃんだろ?』

「うん!
これは、使える!」



━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━………
それから五日後。

寧音は、羽馬と職場近くの定食屋にランチに出掛けていた。

そこのレディースランチが好評で、よく女性社員はランチに利用していた。

「ほんと、羨ましいなぁ~
関水さん、あんなカッコいい彼氏がいて!」
「うん」

「関水さんも美人だし!」
「でも、羽馬さん可愛らしくて羨ましいけどな」

「え?そうですか!?」
「うん。私は羽馬さんみたいに感情を表せないから」

人見知りをせず、相手が誰でも臆することなく懐に入っていける羽馬。
寧音は、可愛くて無邪気な羽馬に憧れを抱いていた。
< 20 / 36 >

この作品をシェア

pagetop