クールな君と愛しすぎる僕
マンションに帰り着き、一緒に夕食を作る。
一緒に食べて、ソファで“登羽の淹れたコーヒー”を飲みながらまったりする。

「寧音ちゃん、膝枕して~!」
「うん。どうぞ?」

綺麗に座り直し言うと、登羽が頭を乗せてきた。
そして寧音の腹に抱きついてくる。

ゆっくり頭を撫でると、フフ…と嬉しそうに笑う。
寧音も可愛いなと思い、頭を撫で続ける。

段々、寧音の頭を撫でる早さが遅くなる。

そして…………
「フフ…寧音ちゃん、寝たかな?
…………おやすみ…」

ゆっくり起き上がり、寧音をそのままソファに寝かせる。
そしてブランケットをかけた。
「今日の薬は、効くの早かったな…」

登羽がコーヒーに睡眠薬を入れていたのだ。
毎日の食後のコーヒーは、登羽が豆を挽き淹れているから、寧音は疑うことなく飲んでいる。

寧音のバッグを取り、ひっくり返して中身を全て細かく確認する。

「キーケース、ハンカチ、ティッシュ、ペン入れ…の中…OK…バッテリー、ハンドクリーム、ポーチの中も…OK。
あとは……財布。
中…ん?コンビニのレシートだ…
飴とストッキングか。
フフ…ほんとに、ミルクキャンディ好きだよなぁ(笑)
よし、次はスマホ!」

ロックを解除して、中身を確認する。
今日誰と電話をしたか、誰とメッセージやメールのやりとりをしたか。
SNSは禁止してるのでしてないが、どんなことをネット検索しているか等……

「今日は、ないみたいだな…
ふぅー」
そこでやっと、落ち着く登羽。

ここまでしないと、登羽は安心を得られない。

当然、こんなことをしているなんて寧音は知るよしもない。



今度は登羽が寧音を膝枕して頭を撫でていると、寧音が目を覚ます。

「あ!寧音ちゃん、起きた!」
「あ…また、寝ちゃったんだ…」

「疲れてるんだね…ここんとこ毎日だもんね!」

「そうみたい…
登羽と一緒に住むようになってから、ご飯食べたらフッ…て意識がなくなるの」

「そうなの?」
(そりゃそうだろうね)

「安心、するのかな?」
「安心?」

「仕事中、気を張ってるから。
一人暮らししてた時も、夜は毎日ぐっすりだったし。
でも、こんな風にうたた寝はしなかったけど…」

「そっか……!
……………やっぱ、仕事辞めなよ!
僕、心配だよ…寧音ちゃん、過労で倒れないかなって!」
「大丈夫だよ」
少し微笑み言う、寧音。


「ほんっと、頑張りやさんだね!寧音ちゃん。
出逢ったあの時から━━━━━━━」
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