死体写真2
あんな状況で逃げ出してきたのだから、バレても当然だった。


「やっぱりそうなのか。だからみんなの前では言えなかったんだね」


大河は難しそうな表情で自分の頭をかく。


「誰にも言えない。絶対に……」


「俺にも?」


大河の言葉に結は一瞬視線を彷徨わせた。


「言えばきっと、私のことを嫌いになる。幻滅する」


「それは聞かないとわからないことだよ。なにより、命がかかった出来事だったんだから、回避方法だって生半可なことじゃないって理解しているつもりだ」


大河の言葉は真っ直ぐだった。


今までだって結のことを疑ってかかるようなことはしなかった。


万が一信じてくれるのなら?


そんな気持ちが浮かんでくる。


それでも簡単に言い出すことはできず、結は黙り込む。


そんな結の隣に大河は座り込んだ。
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