さっさと魔界へ帰ってよ! 魔族の婿なんていりません
11. 新婚ごっこ前半戦
私が特売の玉ねぎを迷うことなく買い物カゴに入れたとき、すかさずエウスが買い物かごを覗き込んできた。



「なあ、それってどうやって食べんの?」



エウスの赤髪が私の肩にかかった。



予想外にいいかおりがして、ドキッ! としてしまう。



不用意に近づきすぎじゃない? デュマといい、魔族って距離感がおかしい!



カゴの位置はそのままで、自分の体だけ一歩横にずらしてから答えた。



「輪切りにしてフライパンで炒めて……」



「はあ? こんな硬そうでうっすいの、おいしいのか?」



……硬そう? うっすい?



「やっだー。外側の皮は食べないよー。

むくに決まってるでしょ?」



「そうなのか。で、むくと中はどうなってんだ?」



あっ、そこからなのね……ってあれ?

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