優しく、ぎゅっと抱きしめて
***
「それ、ほんとに言われたの?」
「う、うん…」
「……マジか」
昼休みになり、食堂でお昼を食べながら美來に今朝あったことをそのまま話した。
美來は難しそうな顔をしている。
そりゃそうだ。
『お返し…何がいいとかあったら言えよ俺、お前にしか返すつもりないから』
「っ…!う〜…なんなの知賀くん…」
あのときの知賀くんのセリフを思い出しただけでも、顔が熱くなる。
冗談とか、決して言わなそう……というかほとんど言わない知賀くんが、面白半分であんなこと言わないよね…?
でも、そしたらあれは……。
そんなことを、1限からずーっとグルグル考えてはかき消していた。
「もう聞いちゃえば?」
「美來のそゆとこ、嫌いじゃない」