優しく、ぎゅっと抱きしめて
美來は親友のひいき目とか一切しなくても、美人だと言い張れるくらい綺麗。
それに比べて私は、特に可もなく不可もなく。
至って平凡な見た目で、自信をもてるものは何一つない。
メイク…はうっすらしてるけど、校則があるからバッチリできないし。
でも、してもしてなくてもわからないんだよね。
…うん、自分で言ってて悲しくなってきた。
容姿のことはともかく、美來のその自信はどこから湧いてくるのだろう。
「本人に聞かなきゃしょーがないじゃん。1人で考えてたって、わかるわけないでしょ?」
「ごもっともです…」
「いいから聞いてきな?ほら、行った行った」
「えっ、ちょ、ちょっと…!」
立ち上がった美來は私を引っ張り、食堂から追い出そうとする。