優しく、ぎゅっと抱きしめて
逆に話しやすくて普通に友達みたい。
「めっちゃ子供体温じゃん」
明るい茶髪に気崩された制服。
知賀くんに引けを取らない甘いフェイスは、いかにも女の子たちが好きそうな感じ。
ある意味知賀くんとは対象的なんだよね、辻くんって。
「あー…月森ちゃん、ちょっと聞いてもいい?」
ぼんやりとそんなことを考えていたら、辻くんは聞きにくそうに口を開いた。
「うん?」
「月森ちゃんは…知賀のこと、どう思ってる?」
「っえ…?」
辻くんの鋭い質問が突き刺さる。
「やっぱり、知賀のこと……」
「っ、知賀くんには言わないで…!」
辻くんが何か言う前に叫んでいた。
何を恐れているのかはわからない。
「私…知賀くんや辻くんとこうして過ごせるのが、今すごく幸せだから…」