優しく、ぎゅっと抱きしめて

｢えっ…！？｣



衝撃の事実に唖然とする。



知賀くんと辻くんが幼なじみ…？



でも、今思えば知賀くんが辻くんに多少甘いのも、その話を聞けばうなずける。



距離が近かったり、よく話をしているのも全部幼なじみという関係がもたらしていたのだ。



｢びっくりしたでしょ｣



｢そりゃあ…うん｣



｢別に隠してるわけじゃないんだけどねー。知賀が知賀だから、言うタイミング？ってやつを逃しちゃって｣



｢……なるほど？｣



何となく辻くんの言っていることがわかる気がする。



あまり周りと関わらない知賀くん。



その真反対の存在である辻くんと幼なじみだと知られたら知賀くんにも話しかける人たちが増えて、迷惑がかかってしまうかもしれない。



｢あいつ、女子と関わりたがらないんだよ。知賀の顔だけ見て寄ってくる女子にうんざりしてんだ｣