優しく、ぎゅっと抱きしめて
頼む相手を間違えてるんじゃ…?
驚きの声を上げる私に「何言ってんの」と、半ば呆れながら方をすくめた。
「知賀がここまで気を許してる相手、月森ちゃん以外知らないんだけど?」
「っ…そう、かな」
「そうそう。私なんか〜とか思ってないで、堂々としてればいいんだよ」
やっぱり、辻くんはエスパーなのかもしれない。
私が不安に思っていることをズバリと言い当てる。
一見何も考えていないように見えて、実は人一倍人のことをよく見てるのかも。
「月森ちゃん、今俺に対して失礼なこと思ったでしょ?」
「えっ!?」
あまりにも図星を指されて、つい反応してしまう。
「ふはっ…!月森ちゃんは顔に出すぎ!ほんと面白いなぁ」
「もうっ…からかわないでよ」