優しく、ぎゅっと抱きしめて
君を想う

あれからまた2週間が過ぎ……。



「お、終わった〜!!」



「楓うるさい」



「だってだって、テスト終わったんだよ!!気分も上がっちゃうよ!」



長かったテスト期間がようやく終わりを告げた。



これで2年生になるまでテストというテストはないため、かなり開放感がある。



美来に塩対応されても、全然気にならないくらいハッピーだ。



それに…。



「なんて言ったって、知賀くんのおかげだよ!ほんとありがとう知賀くん…!」



前の席にいる知賀くんに声をかけると、ペンケースにシャーペンや消しゴムをしまいながら振り向いてくれた。



「月森が頑張ったからだろ。お疲れ様」



「っ…そ、そうかな…?でも、知賀くんが教えてくれてなかったらきっと悲惨なことになってたから…」



「そんなに?」
< 42 / 61 >

この作品をシェア

pagetop