マグ

そのうち真澄はいつものようにキスして私の服を脱がせたが、私を抱いている最中にも何度も念を押した。


そんな事をしていたら、気が付くと午前一時を過ぎてしまっていて、私は慌てて兄へメールした。


家族の中で兄だけが、私に真澄という彼ができた事を知っていた。



初めて真澄の部屋へ行った日、家に帰ると兄が私の顔を見て、表情一つ変えずに『彼ができたか』とさらりと言ったのだ。


何の前置きもなく、言い当てられて私はひどく驚いた。


私のどこかに、さっき初体験をしたと分る印が付いているのかと疑ったくらいだ。


< 177 / 425 >

この作品をシェア

pagetop