マグ
最寄りのスーパーまでは歩いて五分と掛らないというので、私はなるべくゆっくりと歩いた。
真澄は怪訝そうな顔をして、私の歩調に合わせている。
「なあ、あの前畑っていう人、もしかして奥さんいるの?」
私はこめかみより上が急に熱くなった。
暑くもないのに汗が噴出すのではないかと思われた。
「・・・そんなことないんじゃないかな?いないんじゃないかな?」
「かなって親戚なのに分からないの?」
「家、親戚が多くて・・・誰が誰の奥さんで、この家の子供が誰と誰でとか、きちんと把握できてないんだよね」