マグ

「家から無理なく通える距離だし、偏差値が私の学力といい具合に合っているから落ちる事はないだろうと言われたので受験しました」


私はちょっと緊張しているのだろう。


説明するような口調になってしまった。


「そうか。俺は神崎先生の独特な経済理論が気に入ってさ。高校を出て一旦は他の大学の経済学部に入ったんだけど、辞めてこっちに来たんだ」


「すごい」


思わず口から言葉がこぼれた。


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