マグ

あまりにも不出来な妹に、勉強を教える事に嫌気が差した兄は、親友の優哉に愚痴をこぼしたようだ。


すると人のいい優哉は

『それなら夏休みの間、凛ちゃんに僕が家庭教師してあげようか?』

と申し出てくれたらしい。


優哉ならもう十数年来の知り合いだ。


だけど身内ではないし、私が甘えられるほど、優哉と私は親しくはなかった。


兄は優哉の申し入れを、私や両親に断わることなく、速攻で喜んで受けた。




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