マグ

その兄の幼稚舎以来の親友で、私も幼い頃から顔見知りだった『優哉(ゆうや)』という男の子がいた。


高二の春頃、どんどん成績が落ちていく私に、家族はどうにか家庭教師を付けようとしていた。


しかし人見知りする私は、家庭教師センターから派遣されて来る見ず知らずの学生に勉強を教えてもらっても、緊張するばかりで勉強にならなかった。


そんな私を見かねて大学生の兄が、自分の勉強時間を割いて、私に勉強を教えてくれた。


しかし兄妹という甘えが先立ってしまい、私は兄から教えられた事もきちんと覚えることは出来なかった。


< 69 / 425 >

この作品をシェア

pagetop