マグ
私の疑問に優哉が何と答えたのかは記憶にないが、それ以降、優しいだけの優哉の態度が変わった。
自分よりもずっと下に見ていた私に、根本的なことを指摘されて、優哉は明らかに不機嫌になってしまった。
「勘違いしたね。主軸はYじゃない。Xだよ。だから答えはX軸に対称な点を求めるんだ。分かる?」
少し厳しい優哉の口調に私は黙って首肯いた。
すると優哉は
「間違えたね。じゃあ、お仕置きだ」
と言って、笑いながら私の肩を強く押した。