マグ
「どうしてかは優哉に訊いてもらわないと分からないけど・・・
多分、私を飽きさせない為に勉強をゲームに仕立てたんじゃないかと思う」
「そのゲームに乗ったのか。凛は優哉が好きなのか?」
「好き?嫌いじゃないよ。いくら家族に言われても嫌な人の家には行けないよ」
「凛は男として優哉を好きなのか?」
「男として・・・?」
私は兄の手を掴んでうつむいたまま、眉間にしわを寄せて考え込んでしまった。
『優哉を男として好きなのか?』
そんな事は考えたこともなかったから。