マグ

兄は、座り込んだままうつむ私の前にしゃがんだ。


そして私の目と自分の目を合わせようした。


「凛にとって優哉のキスはご褒美なのか?優哉にキスされて凛は嬉しいと感じたのか?」


「嬉しい?不正解を出して軽く張り倒されるのもキスされるのも、草が服に付くという点では同じなんだよね。正解してもそんなに嬉しくはないかも・・・」


「そういうことじゃないんだ。凛は優哉に触れられて嬉しかったのかと訊いているんだ」


触られて嬉しかったか?

触られて・・・


「うーん、よく分からないや。嫌でなければ嬉しかった事になる?それなら・・・ああ、でもやっぱり嬉しくはなかったかも」



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