マグ

兄は私の身体を少しの間、前から後ろから眺めた。


眺めるというよりも何かを探るように、私の身体と顔を交互に見つめた。


私は兄のこの行為に少し緊張して、昔テレビで見た戦争映画を思い出した。


その映画に出て来た、上官に何かを疑われて舐めるように見回される兵士が、自分に重なった。


そしてその兵士のように私は胸を反って、ただじっとしていた。


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