【短編集】  Blue moment

episode3

(なお)なんか大っ嫌い!!!」

「それ、何度目?」





尚は余裕の笑みで私を見る。






「わたし、今度こそ尚とは別れるから!!」

「ふーん……、俺は玲那(れな)とは別れるつもりはないよ。」




放課後の教室で喧嘩をしていた。








原因は尚の浮気。







「あっちが勝手にキスしてきたんだから仕方ないだろ。」








たった今、この教室で3年の先輩とキスしていたのを見てしまった。







「仕方ないって、どーゆーことよ!!避ければ良いじゃない!!」










「だって、お前の顔が可愛かったから。」








「はっ!?」









「こっち見て、お前が嫉妬しながらハラハラしている顔が可愛くて堪らなかった。」












「気付いてない? お前、メチャクチャ俺の事が好きって顔してるぞ。」












手を伸ばして私を引き寄せると激しくキスをしてきた。








「本当に別れたいか?」






「だって、尚が悪いんじゃない!!」





「何度も言うが俺は別れたくない。」








尚の手が制服のワイシャツの下に潜り込み、更にキスの激しさが増す。








「……な…お。 ダメ。」









「何で?」










「人が…きちゃう。」














「関係ねぇよ。」










「……お願ぃ。 やめて。」











「俺の事、好きって言えばやめてやるよ。」








「……ずるぃ。」










「早く言えよ。」










「…尚。」






「……ほら。」









「……好きよ。」








「俺の勝ち。」








再び余裕の笑みを見せた。
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