愛しのディアンヌ
「あなたは上手くルイージに取り入ったようね……。よくも、ルイージをたぶらかしたわね」

「……うっ」

 沼地に包み込まれるような感覚に嵌っていた。もう動けない。身体全体が濁流に呑み込まれて行くかのよう。意識が遠ざかろうとしている。

 何かが身体を支配している。眠くてダルイ。自分を吊るしていた糸が切れたような感覚になりうずくまる。

 ジュースを飲んだばかりなのに。こんなにも咽が渇くのはなぜなの? 

 苦しい。呼吸できない。ルチアが私の顔を覗き込んでいる。私をえくぐるような荒んだ表情で呟いている。

「あなたのような娘は早く死ねばいいのに……」
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