恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。
一途な告白


 彼の部屋にお邪魔して、コンビニで買ったお酒とおつまみの豆を取り出した。


「グラスで飲む? 千花ちゃんは氷とか入れる?」

「えっ、いいんですか」

「うん。もちろん。千花ちゃんがそのまま飲みたいならそのままで十分大丈夫だけど」


 私は陽世さんのご好意に甘えてグラスに氷を入れてもらってチューハイを注いだ。その横で陽世さんは冷たいグラスにビールを入れた。


「つまみにチーズもあるんだけど、ちょうどモッツァレラチーズをオリーブオイルでつけて置いたものがあるんだ」

「じゃあ、私もいただきます」

「やっぱりこういうのは別腹だよね。この業界の仕事、結構大変じゃない? 千花ちゃんの仕事はそれプラスで営業のようなものなんでしょ?」

「確かにそうですね。営業がほとんどです」




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