"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「もしもし真琴?」

「うん」

「何かあったの?」

「単刀直入に言うけど、あって欲しい人がいるの」

「え⁉︎それは、そういうことよね。ああいうことよね」

「何言ってるの?」

「だからほら、お付き合いをしている人を連れてくるってことよね」

「うん」

「あらぁ!どうしましょ!いつ、いつ会わせてくれるの?」

「今度の土曜日に帰ろうと思うんだけど大丈夫?」

「勿論よ。今からでもいいくらいよ!もう、お店お休みしちゃおうかしら」

「そこまでしなくていいから。午前中だったら大丈夫だよね?」

「ええ、大丈夫よ。あなたたちの来れる時間でいいから。連絡だけはちょうだいね」

「うん、わかった」

最低限の要件だけを伝え、会話を終えた。

「土曜日、大丈夫だそうです。連絡だけもらえれば、私たちの都合の良い時間でいいと言っていました」

「そうか、わかった。新幹線のチケットは俺が用意しておく」

「ありがとうございます」

「なぁ、真琴、お母さんとの間に何かあるのか?」

あまりにも事務的な娘の話し方に違和感を覚えたのだろう。

「前に、実家のことを話してくれたことがあっただろ。その時は踏み込んではいけない気がして訊くのをやめたんだが、どうしても気になってな。まだ話せそうにないか?」

恭平はきっと真琴の全てを受け止めてくれる。今なら素直に話せそうな気がした。

「聞いてくれますか?」

恭平は真琴の手を取り、穏やかな表情で頷いた。

「無理はするなよ」

真琴は、これまでずっと自分の中に溜め込んでいた膿を一気に吐き出すように、人間嫌いとなった根源を全て恭平に打ち明けた。
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