"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「大佑さん、貴女のお父さんはエリート官僚だったの。正義感の強い人でね、政治家になって、この国の膿を取り除き、誰もが安心して暮らせる国にしたいって、キャリアを捨てて、政治の世界に飛び込んだの。学生時代から直子さんとはお付き合いをしていて、直子さんは大佑さんをずっと支えていたのよ。父の秘書として働く大佑さんを見ていて、この人は将来必ず日本を引っ張っていく人になるだろうって思っていたの。それは、大佑さんの傍に直子さんがいればの話。でも、茉莉絵のわがままが全部ぶち壊した。

《私は静かに暮らすことを決めました。探さずそっとしておいてください》

そう書き置きを残して直子さんは突然姿を消してしまったの。わたくしは何があったのかと父と茉莉絵を問いただしたのだけれど、教えるわけがないわよね。そしたら、大佑さんを慕っていた別の秘書が教えてくれたの。父が直子さんを呼び出して『君と一緒にいる間、大佑くんは政治家になることはないだろう』って話をしていたと。脅しよ!そんなこと許せる筈がないって、くってかってかかったんだけど、わたくしの力ではどうすることも出来なかった。大佑さん本人も直子さんを探すことはしなかったのよ。これ以上嫌な思いをさせたくない、巻き込みたくないって気持ちが働いたのかもしれないわね。わたくしも直子さんを探すのをやめてしまったの。直子さんには穏やかに、幸せに暮らして欲しかったから。でもまさか、真琴さん、貴女を産んで、たったひとりで育てていたとは……
何も知らなかったとはいえ、貴女方に苦労をかけさせてしまったことは事実。
でもね、わたくしは直子さんに感謝しているの。貴女を産んで育ててくださったこと。そして真琴さん、貴女にも。
恭平に嫁ぐことを選んでくれてありがとう。直子さんの娘さんだもの、間違いないわ!それに、なんといっても女神ですものね」
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