"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
真琴は仕事で恭平と関わることがなく、仕事ができる人だとは、なんとなく耳に入ってくるだけだった。けれど今、それを彼らの会話で実感している。

「それにしてもお前だよ、お前!」

「俺?」

「よくストレートに訊けるよな」

「え?気になったから訊いただけだし」

「ちゃんと答えてくれただろうよ。女神には驚いたが」

真琴は飲みかけのオレンジジュースを吹きそうになった。

「なんだよ女神って」

「あぁ、こいつ、専務が結婚指輪してるの気になって、奥さんどんな女性ですかって訊いたんだよ。そしたら、女神だって返ってきた」

「専務が女神って言うってことは、ガチイイ女ってことだよな」

「あ〜っ、会ってみてぇなぁ〜」

「俺も」

「俺にも女神、現れてくれ」

「頑張れ」

「ウッス!」

「なんか俺、腹減ってきた。さっきまで緊張でなんも食う気しなかったけど」

「社食行くか?」

「おう」

彼らは嵐の如く去っていった。

それにしても、彼らにも女神と言うなんて、しかもガチイイ女だと思われているなんて、益々指輪なんかできないなと恐縮してしまった。

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