"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「大佑くん、率直に訊くが、どう対処するつもりだ?」
「記事についての追及は免れません。ですので、早々に記者会見を開こうと思います。その場で、ふたりの存在は認めます。そして、議員も辞職します」
「辞職?それじゃあ、事実を認めただけで、全くふたりを守れていないじゃない!守るどころか、直子さんと真琴さんの存在自体が否定されているのと同じだわ!」
「私への否定、誹謗中傷は甘んじて受け入れるつもりです。ですが、ふたりを傷つけようとする者は決して許さない。ですから、お義姉さん、私を信じてはいただけないでしょうか」
「信じろって言われても……」
「小百合、大佑くんを信じてみないか?」
「お姉さま、お願い。大佑さんを信じて」
「茉莉絵?」
「私、大佑さんと結婚できたこと、全く後悔していないわ。でも、直子さんから無理やり引き離してしまったことも、真琴さんから父親を奪ってしまったことも事実。その罪は、大佑さんよりも私にあると思うの。大佑さんは、直子さんにも、真琴さんにも、これから先、一生会わないつもりよ。それが自分に科した罰なの。だからお願い、大佑さんを信じてあげて。お願いします」
必死に頭を下げ続ける茉莉絵は、人格が入れ替わったのだろうかと疑ってしまうほど、別人のようだった。
もしかしたら、何か企んでいるのかもしれない。そう脳裏をよぎらなかったわけでもない。だが、ひたすら頭を下げ続ける大佑と茉莉絵を信じてみよう、そう思った。