"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「僕、用事があって近くのホテルに泊まってるんだけど、昨日、君を見かけたんだ。自信がなくて声を掛けられなかった。人違いかもしれないし」

「人違いじゃなかったですね」

「うん」

「今、ここを歩いてたら後ろ姿が目に入って、絶対君だって思った。凄く姿勢がいいから」

「え⁉︎」

「昨日、カフェにいたでしょ」

「はい」

「椅子に座っている君は、凄く姿勢が良かったから覚えてた」

「そんなに姿勢いいですかね?恥ずかしい」

「恥ずかしくなんかないよ。凄く素敵だと思う」

「なんだか照れ臭いけど、ありがとうございます。ところで、先輩は何故ここにいるんですか?こんな朝早く。しかも…」

"方向音痴なのに" この言葉は口から出る寸前に飲み込んだ。

「僕ね、神戸に来た時は朝日を浴びながらいつも散歩するんだ。あっ、方向音痴なのに大丈夫なのかって、思ったでしょ」

思いっきりバレている。

「最初の頃は、迷子にならないようにいっぱいいっぱいだったけど、段々慣れてきた」

「頑張ったんですね」

「凄く頑張った。好きなアニメの主人公がここを歩いてるシーンがあるんだけど、そこが凄く好きで、絶対自分も歩きたいって思ってたんだ。彼女がどんな気持ちで歩いていたのか知りたかったんだよね。だから真似してんの」

!!!

「先輩、もしかしてそのアニメって」

「サンライズインフィニティ!」
「サンライズインフィニティ!」

お互いを指刺しながら声が被る。
二人とも目を輝かせ、満面の笑みで向かい合った。
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