"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「君も⁉︎」

真琴は激しく頷いた。

「だからここにいたんだね」

「はい!」

「人生、何があるかわからないね」

「そうですね」

「先輩、発作は大丈夫ですか?」

「うん、歳を取るにつれて回数が減っていった。今は滅多に起こらない」

「そうですか、よかった」

真琴は吐息をついた。

「ねぇ、真琴さん」

「はい」

「今でも人間は嫌い?」

「はい、好きではありません」

昨夜の一件もあり即答した。

「そうか……僕はね、好きになったよ。そして、人間の世界に生まれてきて良かったって思ってる。今こんな風に思えているのは真琴さん、君のおかげだよ」

「え⁉︎ 私、ですか?」

「うん」

「私、何もしていませんよね?」

「君は気づいていないだろうけど、僕はね、君に大切なものをもらったんだ。もらったっていうか、導いてもらったっていう方があってるかな」

「導いた?」

「うん、だから、ずっとお礼を言いたかった。ちゃんと顔を見て言いたかった」

彼が真琴の正面に立つ。

「真琴さん、ありがとう」

深々と頭を下げた。

「先輩……」

彼が顔を上げ、再度真琴の横に腰掛ける。

「先輩は幸せなんですね」

「うん、毎日充実してる」

笑顔の彼を見ていると優しい気持ちになるなと、真琴の表情から強張りが解けていく。
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