「好き」って言ってよ!
その日の夜、奈帆と青葉はリビングのソファーに並んで座っていた。

奈帆は息を吐くと、
「あのさ…」
と、自分のイライラの元凶であるそちらの方に視線を向けた。

「いつまで私を拘束しているつもりなの?」

そう聞いた奈帆に、
「はい?」

青葉は訳がわからないと言った様子で聞き返した。

「私はいつになったらこの牢獄から出れるんだと聞いてるの!」

「牢獄じゃない、僕の家だぞ。

もう少し言うならば、僕と君の家だ」

「余計な訂正をするな!」

60階建ての高級マンションの45階の一室が青葉の自宅で、数日前に奈帆が強制的に連れてこられた場所だ。

「もういい加減に私と婚約破棄をしてよ!」

「君こそ何度言ったらわかるんだ、婚約破棄はしない」

「わかるまで言い続けてやる、今すぐに私と婚約破棄をしろ!」

奈帆がそう叫んでソファーに置いてあったクッションを投げつけてきたので青葉は避けた。
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