婚活
和磨が乱暴に、しかし手慣れた感じで服を剥ぎ取りながらキスを落とし身体に触れていく。まったくブレイク・タイムを与えてもらえない。和磨。私の知らないところで、どれだけ遊んでいたの?和磨が自分のシャツをおもむろに脱ぐと、鍛えられた腹筋と厚い胸板が露出され、目のやり場に困ってしまった。そんな私を和磨は優しく上を向かせ、静かに唇に触れるようにキスをした。
「珠美。俺、今夜は野獣だから」
「和磨」
そう言うと、和磨は私の首筋にキスをした。
「ずっと、お前が好きだった」
耳元で和磨に言われ、自然と涙が目尻を伝う。泣いているのを悟られたくなくなくて、涙を堪えながら両手を和磨の背中にまわして必死に力を込めた。そんな私を和磨はわかっているのか、そっと両手で私の頬を包み、左右の親指で涙を拭ってくれると優しく私に微笑んだ。
「和……磨……」
その夜、一晩中、和磨を感じていたが、ところどころ記憶が飛んでいて、気付くと和磨の腕の中で朝を迎えていた。

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