婚活
「和磨も部活が休みなら、全員明日は休みだから心おきなく飲めるな」
裕樹ったら、はしゃいじゃって……。きっと裕樹も和磨に会うのは久しぶりなのかもしれない。こりゃ、和磨。潰されるな。
「姉貴。何、ニヤケてるんだよ」
「気持ち悪いな」
「はぁ?あんた達、有り難く思いなさいよね。野郎二人で飲まなきゃいけないところに華を添えてやってるっていうのに、まったく有り難みがわかってないんだから」
「じゃぁ、注げよ」
はい?
「裕樹。何時から、そんな偉そうな態度がとれるようになったのよ」
「はい、はい。姉弟喧嘩は、またの機会にしてくれよな」
何か、時が戻って学生の頃かと錯覚する。
「裕樹。夏休みどうする?」
「何処行っても混んでるしなぁ……。近場で楽しむか」
夏休みねぇ……。お盆休みしかない裕樹は可哀想かも。うちの会社はお盆休みがないから、その分、みんな分散してとれるので、割とと意義に使える。
「釣り行って、海行って、あと何処だ?」
ハハッ……。
相変わらずこの二人の発想は、幾つになっても変わらないな。
「珠美。飲むか?」
いきなり和磨がグラスに日本酒を注ごうとしたので、隣にいる和磨の顔をジッと見てしまった。
「うん。注いでくれる?」
「かしこまり」
あれっ?誰だろう?
ポケットの中で携帯が震えている。誰からか確認しようとして、携帯を取り出して画面を開いた。
―相談所―
今頃、どうしたんだろう?慌てて席を立ちながら電話に出た。
「もしもし」
「夜分遅くに申し訳ありません。沢村様でいらっしゃいますか?」
「はい」
「相談所の有田ですが、お世話になっております。実は沢村さんにリクエスト・エントリーが入っておりまして、急なんですが……明日、是非お会いしたいと先方の方がおっしゃってまして……」
「明日ですかぁ?」
思わず大きな声を出してしまい、後ろを振り返ると裕樹と和磨がこっちを見ていたので、小走りで二階に駆け上がって部屋に入った。
「はい。そうなんです……。先方が無理を承知でお願いしたいと。勿論、沢村さんのご都合もございますし、まだ相手の方のご確認もして頂いておりませんのでお断りになっても まったく構いませんので」
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