婚活
縁(えにし)
「ただいま」
「お帰りなさい」
そのままリビングに顔を出す。
「裕樹は?」
「彼女送って、それからどっか行くって言ってた」
「そうなの……。裕樹が女の子を泣かしてないといいんだけどねぇ」
お母さん。やっぱり心配なんだ。幾つになっても親は親。
「大丈夫でしょ?もう責任とれる年齢なんだし、何もお母さんが心配する事もないわよ」
「まぁ、そうだけど……。そんな事よりも珠美は自分の事も、いい加減考えなさいよ」
うわっ。いきなりこっちに矛先が向いちゃったよ。
「わかってるって。お風呂入って、もう寝るから」
早々にリビングから退散して、シャワーを浴びて自分の部屋に向かった。
「俺……やっぱり珠美が忘れられねぇや」
和磨……。
ちょうどその時、いきなり携帯が震えだしたので、驚きながら慌てて画面を開いた。
―由佳―
由佳だ。どうしたんだろう?メールじゃないなんて珍しいな。
「もしもし?」
「珠美。まだ起きてた?」
「起きてるわよぉ。どうしたの?」
「珠美。相談所のサイト見た?」
「相談所のサイト?」
そう言えば、ここのところあまりちゃんとは見てなかったかもしれない。
「相談所主催の合コンあるの。知ってる?」
「相談所主催の合コン?」
「そうなのよ。私も朋美に言われるまでそこまで見てなくてさ。サイトのトップページの 最新ニュースのところに載ってるのよ」
どれどれ……。取り敢えず、パソコンの電源を入れた。
「そうなの?今、パソコン立ち上げてる」
「そうなのよ。それでね……会費は女は1000円なの」
「1000円?」
さぞ相談所主催の合コンと聞いて、会費も高いんだろうなと想像していので、思いっきり 電話口で叫んでしまった。
「珠美。声大きいよ」
「あっ、ごめん。1000円って、それまた安いね。でもその会費だったらあまり期待出来ないんじゃないの?」
参加費からその合コンの面子を想像すると、あまり期待出来ないような気がしてしまう。
「でも、男は会費2万円だよ?」
「えぇっ?2万円?何、その差」
男は女の20倍って……。
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