婚活
「こうやって、私みたいに好き勝手に独身生活エンジョイしちゃって来ると、結婚したら いろんな事を我慢しなきゃいけなくなるって思ったらおしまいなのよ。歩み寄りも大切だけど、その前に相手だって結婚する事によってこれまでやってきた事を我慢する覚悟の上でのことかもしれないんだから、自分だけがどうしてこんなに我慢しなきゃいけないんだろうって思っちゃったら、あの会社の人事のオバチャンみたいに束縛されるのが嫌だったからとか言って、出戻っちゃうわけよ」
朋美ったら、いつの間にそんな冷静に物事を捉えられるようになったの?
「でも人事のオバチャンの相手だって、我慢してたかもしれないじゃない?だからね、結婚したらお互いどこまで相手を許せるか、つまり思いやれるかってことが必要になって来ると思うんだ。甘い時は、ほんの一時よ。そんな人生甘くないって。アッハッハ……。対して人生歩んでもいないんだけどね」
あまりにも、一番痛いところを突かれた気がして一緒には笑えなかった。
「だから、珠美は白石の事、もう一度、ちゃんと考えてごらん。考えるまでもないと思うけど、今だったらもっと優しく出来るんじゃない?今だったらもっと白石の事、わかってあげられるんじゃない?駄目もとで、もう一度、白石の胸に飛び込んでみな」
「朋美。私……」
朋美は私の気持ちをわかってくれていたんだ。あんなに男に正直ルーズで、思った事をズバズバ言って、嫌だと思ったらすぐに次の男にいっていた朋美が今、私に諭すように言ってくれている。
「珠美。何も言わなくていいよ。私と珠美は名前に美しいって付くんだから。絶対、すべてにおいて美しいんだから。わかった?」
「朋美……」
朋美なりの言い方で、私を励ましてくれている。
「許嫁って言うぐらいジャン。許す嫁は相手を許し、女が家を守る。私は男が家を守ってるとは絶対言わせないんだから。女だって家を守れるんだよって事で、この朋美様はまだまだイケイケの人生を歩みたいから、楽しんで婚活しながら此奴ならまぁ許せるかって奴が現れるまで頑張るよ」
「朋美」
「白石……あいつは良い奴だと思うから。でなきゃ、同じ会社にも入らなかったし、大人になってまでずっと縁が続いてないって。あっ、珠美。私、勝負下着買って帰るから、また来週ね」
エッ……。
「う、うん」
「由佳の報告が楽しみだ」
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