婚活
決断
あれから朋美は毎週のように、週末の金曜ともなると泊まりがけで小林さんと会っている。羨ましいような……。だけど大丈夫なのかという心配も少しある。私はというと、相変わらずでまだ相談所にも面通しのリクエストもせずに、画面上の未来王子を探しながら何となく画面上で見てるだけで満足してしまってたりしてるような毎日を送っていた。これじゃいけないんだけれど由佳にその事を話すと、由佳も切羽詰まってないから画面だけ見てお腹いっぱいな状態なんだとか……。恐る恐る、由佳にカミングアウトしたものだからお互い同じ感覚で、ホッとして顔を見合わせて笑ってしまった。
今日のランチは、何にしよう……。久しぶりに外に出てお弁当を買おうかと思いコンビニに向かうと、沢山あるお弁当に目移りして社食に慣れてしまっている私は、さながら「ランチおのぼりさん」のよう。やっと迷いに迷って生姜焼き弁当を買って温めて貰いコンビニを出ると、前から熊谷さんと和磨が歩いてきた。
うわっ。
ランチ前から、何だか食欲不振になりそう。和磨の奴、何だかこっちをジッと見てるよ。
「久しぶり」
「お久しぶりです」
爽やかな熊谷さんの挨拶にうっとりしながらも、隣りの和磨が邪魔だなと横目でチラッと見た。
「白石。先行って、席取っといてくれないか。オーダーは、いつもの日替わりで」
エッ……。
「あっ、はい。わかりました」
和磨は熊谷さんに言われるまま、私の横を通り過ぎていったが、それはそれでまた何となく物足りないと思えた。
「君の返事を……。そろそろ聞かせてもらいたくてね」
「……」
「今週中に、一度会えないかな?」
熊谷さん……。
携帯の番号とアドレスの書いた紙を受け取った時のあの夜の事がスッと蘇ってきて、持っていたコンビニの袋の持ち手をギュッと握りなおす。
「急かすつもりは毛頭ないつもりなんだけど、何となく気になっててさ……」
「すみません……。その……まだ私……」
熊谷さんの事は正直はっきり言って、まだ何も考えていないと言っても過言ではない。
「わかった。考えてくれてる最中だったら、別にいいんだ。だけど、せっかくだから今週中に一度、食事でもどうかな?」
「はい……」
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