アネモネ

やはり、
透子は私が生きて帰った事を知っていたのだ。

「何故、そんな余計な事を、、」

「辰哉、お前は女子の気持ちが全くわかっとらんの
わしが話さんでも、透子さんはお前を待ち続けていたさ、生きていようがいまいが関係ない」

「どうしてそんな事が、母上にわかるんですか?」

「お前は、透子さんの容姿だけに惚れたわけではなかろうに、それは透子さんとて同じことじゃ、
どんな姿になろうと帰ってきて欲しいと願うは当然、せめてお前が生きている事だけでもわかれば、透子さんの生きる糧になるとは思わんか」

「・・・・」



「いいか辰哉、
 本当に人を好きになれば、
 想いは己の命が尽きるまで続く、

 わしとて、いつかあの人がひょっこり現れて、
 長い事待たせたと笑って再会できる日を、
 今でも待ち望んでいるんだから、、」


                 完
< 18 / 18 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

38年前に別れた君に伝えたいこと

総文字数/54,019

恋愛(純愛)75ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
今でも君が忘れられない、君は何処にいるの、、 40代、50代の方に読んで頂きたい、夢乃旅人がお送りする至福の物語
永遠の片想い

総文字数/4,914

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
娘を持つ父親の気持ち
グラス越しの二人

総文字数/2,946

恋愛(純愛)5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あの話、なかったことにしてもらえまえんか?

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop