アンコール マリアージュ
「いやー、さすがに疲れたなー」
「そうだね。でも充実感で一杯」
「ああ。良かったな、サプライズ大成功で」
「うん。拓真くんも、絶妙なフォローありがとね」

拓真と並んで最寄り駅から寮へと歩きながら、真菜は笑顔を向ける。

「どういたしまして。あ、そうだ。ちょっとこのコンビニ寄っていいか?」
「うん、もちろん」

拓真は店内に入って行ったかと思うと、あっという間に出て来た。

「はい、コロッケ」
「え、もらっていいの?」
「どうぞ」
「ありがとうー!お腹ペコペコだったの」
「だろうな」

早速コロッケを頬張りながら、真菜は、ん?
と拓真を見る。

「お前、パーティーでケーキ入刀の時、すんごい音で腹、鳴ってたぞ」
「ええ?聞こえてたの?」
「当たり前だろ?あんな大音量で、グールグルグルーッて。俺、笑っちゃってカメラ持つ手が震えたぞ」
「ふふふ、ごめーん。美味しそうなケーキ見てたら、ついね」

寮に到着し、コロッケありがとね、ともう一度言ってから、また明日と拓真と別れた。

「はー、疲れた。でも素敵な1日だったなー」

シャワーを浴び、ベッドに倒れ込んだ真菜は、今日1日を振り返り笑顔になる。

「新婦様も綺麗だったし、新郎様もかっこよかったー。幸せそうだったな」

そして、壁に貼ってある真の写真に目をやる。

「でもでも、やっぱり真さんが1番かっこいいー!ぐひひっ」

不気味な声で笑い、真菜は笑みを浮かべたままスーッと眠りに落ちた。
< 140 / 234 >

この作品をシェア

pagetop