乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
「生徒会長…九鬼真弓。あなたが、乙女ブラック!?」

あたしは、悠然と佇む九鬼を見つめた。

九鬼は何も言わず、あたしの方に体を向けると、優しく微笑んだ。


「あ、あのおー」

あたしは何か言おうとした瞬間、次の授業を告げるチャイムが、校内に鳴り響いた。

九鬼はあたしに軽く頭を下げると、

「ご機嫌よう」

背中まである黒髪を翻し、屋上の出入口向けて歩き出した。


「あ、あのお…」

呼び止めようとしたけど、何から話していいかわからなかった。

ちょうど、気を失っていた夏希が目を覚ましたので、あたしは九鬼を止めることができなかった。



まだ白目を剥いて倒れている半月ソルジャーと、活動を停止している月影ロボがなんか、虚しかった。


あたしはまだ朦朧としている夏希に肩を貸すと、屋上を後にした。

半月ソルジャー達は、そのままにして…。
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