乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
千鳥足のおっさんは、九鬼を指差し、

「お、お前とは、キャラがかぶっているんじゃ!」

駄目出しをした。


そのおっさんの名は、半月ソルジャー。

「途中から、参加して!リーダーずらしやがって!」

半月ソルジャーの言葉に、九鬼はフッと笑うと、廊下の窓を開けた。

「あたしは、リーダーではないわ!ただ…みんなを守りたいだけ」

そして、開けた窓から、外へと飛び降りた。

「逃げるか!卑怯者!」



九鬼は半月を無視すると、一気に正門へと走り出した。

校舎の左側を斜めに走ると、正門までは一直線だ。

九鬼は視界に、正門をとらえたところで、足を止めた。

一度、呼吸を整えた。


正門のさらに向こうで、巨大な砂埃と、時折光る…一筋の光。


光線を発する怪人。

「魔神に近いか…」

生身の体で、それを喰らえば…アウトだ。

「だけど…あたしは、生徒会長」

九鬼は、覚悟を決めた。


ゆっくりと歩き出す九鬼の後ろから、声がした。

「九鬼!」

「生徒会長!」

校舎から飛び出して来たのは、里奈と夏希だった。

そして、里奈に引きずられて、放心状態の蒔絵もいた。


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