神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
「…消えた…?何だったんだ、あれは…?」

一人、事情を知らないアトラスが首を傾げていた。

知らずにぶった斬ったのか、お前。

シュニィを襲われて、頭に血が上ったものと思われる。

…さて、これ以上、茂みに潜んでいる必要はない。

俺とシルナは、茂みから出て、シュニィとアトラスの前に出た。

「ん?羽久と…学院長?いつの間に…?」

「…悪いな…」

割と結構前から、盗み見させてもらってたよ。

何なら、君達がイーニシュフェルト魔導学院に在学中の頃から、君達を盗み見してたよ。

本当申し訳ない。

「事情を説明…する、前に」

俺は、くるりとシュニィの方を向いた。

これだけは言っとくよ。

「…良かったな、シュニィ」

シュニィに話を振ると、シュニィは少し目を見開き、それから苦笑し。

そして、心から嬉しそうに微笑んだ。

「…えぇ、そうですね」

全くお前達は、ルーデュニア聖王国のベストカップルと言っても過言ではないな。

これからもその調子で、いつまでも仲良く、宣言通り一生添い遂げてくれ。
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