カラダダケの関係に依存していた私の話
N
13歳の春に私を待っていたのは、この先ずっと私を支えてくれることになる人との出会いだった。
仮にNとでもしておこう。
Nがいなかったら私はどんな人生を歩んでいたのだろう。
想像ができないほど、彼は私にとってかけがえのない人だ。
Nと仲良くなったきっかけは特異なものではない。
進級と同時に行われたクラス替えで同じクラスになり、席替えで隣になり、話してみたら波長が合いすぎた。
それだけの事。
私たちは、思春期真っ只中で色恋に敏感な中学生らしく、学校で仲の良さをひけらかすなんてことはしなかった。
それでも放課後は共働きで両親がいない彼の家にしょっちゅう遊びに行っていたし、
休日の思い出の多くはNだった。
多すぎて忘れてしまうほどに。
その中で永遠記憶に残るのは、初めて彼の涙を見た日だろう。
あれは公立高校の前期選抜結果発表の日だった。
「結果は家に帰ってから親御さんに聞くように」
という先生の忠告を無視した彼は、学校に備え付けられている公衆電話で母親に電話をかけてしまった。