あなたに好きと言えるまで

高校生になって、初めて好きになった人。いや私の初恋と言ってもいいかもしれない、
告白する勇気がなくて先延ばしにしてたら、彼にはいつの間にか彼女がいた、
こんな事になるなら、自分の気持ちを素直に伝えて告白してれば良かったと後悔しても、今更時は戻せない。

彼の存在がここまで大きくなるとは思いもよらなかった、美智子の言うとおり寝ても醒めても彼の面影が頭から離れなくなっていた。

「ねえ美智子、私はどうしたら良いの?」
「彼女がいても美幸の気持ちは変わらないでしょ」
「変わらないけど、、もう私には何も出来ないよ」
「結婚したわけじゃないんだから、、希望を捨てちゃダメだよ」

「君嶋くんは優しいから、彼から別れを切り出すなんて考えられないよ」
そうだ、彼は女の子を泣かすような事はしない、女の子の涙が嫌いなんだから
私は彼のそんな優しさが好きだもん。

「君嶋くんはそうかも知れないけど、河崎さんはわからないよ」

「えっ、彼女から告白したんでしょ、なのに彼女がフルの?」

「私の見立てでは、河崎さんは君嶋くんでは満足できない、ああいう活発な子は自分をグイグイ引っ張ってってくれる子じゃないとダメなんだ」

「そういえば、美智子もそんな事を言ってたね」

「うん、私と河崎さんは性格が似てる気がするから分かるの、一目惚れだから河崎さんはまだ君嶋くんの内面を知らないでしょ」

そうか、誰もが自分と同じ考え方であるとは限らない。人には好みがあるし、相性もある、私がどんなに彼を評価していても彼に興味を示さない女の子は沢山いる、付き合って初めてわかる事もあるはずだ。

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