再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
「俺は加藤(かとう)です。こっちは橋口(はしぐち)さん。こちらは夏目(なつめ)先輩です」

明るい彼が紹介をしてくれた。
すると紗衣ちゃんも自分と私の紹介をしてくれた。

「森口　紗衣(もりぐち　さえ)です。こちらは佐伯(さえき)のどか先輩です」

「紗衣ちゃんにのどかちゃん。いい名前だね」

朝から合コンのようなノリだが、私たちはみんな当直明け。寝不足から全員がナチュラルハイになっているのだろう。やけに明るいテンションになっていた。

「裕さんものどかちゃんもなんだか雰囲気似てますよ。大人って感じで落ち着いてます」

そういう彼は確かに年下に見えるが私をのどかちゃんと呼ぶなんてやはり軽く見える。
その点、夏目さんはやはり落ち着いているからか年上に見えた。
ガッチリとした熱い胸板が薄手のグレーのニットからもわかる。背は180近いのではないだろうか。黒のパンツが足の長さを更に強調しておりスタイルの良さを感じさせられる。ふと見上げると短髪ですっきりとした髪型に彫りの深い整った顔でドキッとした。

「気安く【ちゃん】付けで呼ぶなよ」

「裕さん堅いですよ」

彼は後輩に嗜められるがその姿からも仲の良さを感じる。
和気あいあいと会話を楽しむことができ、思わぬ出会いだったが楽しい時間を過ごせた。

「また改めて飲みにいかないかな？」

改めて声をかけられ、私たちはIDの交換をした。
疲れていたはずなのに、久しぶりにとても楽しい時間を過ごせ、飲み会をするのが楽しみになった。
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