ベッドの上であたためて
2.Past wounds
ーー初めてOrgasmを飲んだのは、カクテルに詳しいキャバクラの客がバーに連れて行ってくれた時だった。
『どう?快楽の味がする?』
揶揄うように尋ねてきた男に、
『快楽なんて比にならないくらい美味しいです』
と、嫌味などではなく素直に答えたら、彼は顔を顰めた。
『俺、テクにはけっこう自信あったんだけど。君だって気持ちよさそうにしてたじゃない』
『まあ、気持ちよかったですけど…』
その曖昧な答え方がさらに癇に障ったらしく、結局一杯だけ飲んで会話もなく別れた。
その時に思った。
私は快楽が欲しくて男に抱かれるわけではないのだと。
じゃあ、私は何を求めて好きでもない男とこんなことを繰り返しているんだろう。
あの頃恐怖と苦痛でしかなかった行為を平気でできるほど、私が欲しいものはなんなんだろう。
答えはいまだにわからない。
『どう?快楽の味がする?』
揶揄うように尋ねてきた男に、
『快楽なんて比にならないくらい美味しいです』
と、嫌味などではなく素直に答えたら、彼は顔を顰めた。
『俺、テクにはけっこう自信あったんだけど。君だって気持ちよさそうにしてたじゃない』
『まあ、気持ちよかったですけど…』
その曖昧な答え方がさらに癇に障ったらしく、結局一杯だけ飲んで会話もなく別れた。
その時に思った。
私は快楽が欲しくて男に抱かれるわけではないのだと。
じゃあ、私は何を求めて好きでもない男とこんなことを繰り返しているんだろう。
あの頃恐怖と苦痛でしかなかった行為を平気でできるほど、私が欲しいものはなんなんだろう。
答えはいまだにわからない。