もう、オレのものだから〜質実剛健な警察官は、彼女を手放さない〜

そしてベッドの傍らで見守られながら私はスープを完食し、薬を飲んで額には冷却シートまで貼ってもらってから再びベッドに横にならせてもらった。

それにしても、一人暮らしの男の人の部屋に体温計や風邪薬や冷却シートって、普通常備されている物なのだろうか。


「…オレが以前風邪を引いた時に、そういう類のものが一切無かったから鶴咲先輩が全部用意して来てくれたんだ。あの人は、ああ見えて過保護だから」


額に手を当てながらよっぽど物問いた気な顔でもしていたのだろう、犬飼さんが苦く笑いながら教えてくれた。

それを言うなら犬飼さんも過保護の素質ありますよ、と、その言葉が音になったかどうか。

お腹も満たされて、薬が早速効いて来たらしい私は、そのまま重たくなる瞼に抗うことなくスーッと目を閉じたのだった。

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